不動産用語『仲介と媒介』の意味の違いとは?
― 似ているようで、実は使い分けられている言葉 ―
不動産の売買や賃貸を検討していると、「仲介」や「媒介」という言葉を目にすることがあります。
多くの方は「仲介=不動産会社が間に入ってくれること」と理解しており、それで大きな間違いはありません。一方で、「媒介」となると、少し堅く、聞き慣れない印象を持つ方も多いのではないでしょうか。
結論から言えば、仲介と媒介は、意味としてはほぼ同じです。どちらも「当事者同士の間に立ち、取引を成立させる役割」を指しています。ただし、不動産業界では使われる場面やニュアンスに違いがあります。
日常用語としての「仲介」
「仲介」は比較的日常会話に近い言葉で、
「不動産会社に仲介してもらって家を売る」
「仲介手数料はいくらかかるのか」
といった形で使われます。
一般のお客様向けの説明や広告、会話の中では、この「仲介」という表現が圧倒的に多く、イメージもしやすい言葉です。
法律用語としての「媒介」
一方、「媒介」は法律や契約書で使われる正式な表現です。
代表的なものが「媒介契約(一般媒介・専任媒介・専属専任媒介)」です。
宅地建物取引業法では、「仲介」ではなく「媒介」という言葉が使われており、
・不動産会社がどこまで責任を負うのか
・他社にも依頼できるのか
・報告義務の有無
といったルールを明確にするために、「媒介」という言葉が採用されています。
つまり、媒介は制度やルールを示すための言葉、
仲介は分かりやすく伝えるための言葉、
と考えると理解しやすいでしょう。
なぜ使い分けられているのか
不動産取引は高額で、トラブルを防ぐためにも厳密なルールが必要です。そのため、法律の世界では曖昧さを避け、「媒介」という表現が用いられています。一方、一般の方に対しては、難しい言葉よりも「仲介」という馴染みのある表現の方が伝わりやすい、という事情があります。
まとめ
・仲介と媒介は、意味としてはほぼ同じ
・仲介は日常的・説明用の言葉
・媒介は法律・契約上の正式な言葉
・媒介契約という形で、業務内容や責任範囲が定められている
不動産売却や購入を進める際には、「言葉の違い」よりも、どのような契約内容になっているのかを理解することが大切です。仲介でも媒介でも、その中身をきちんと把握することが、納得のいく不動産取引への第一歩と言えるでしょう。





どんなことでもお気軽にお問い合わせください
☎︎04-2965-0622