自宅を売ってもローンが残る場合の対処法
マイホームを売却する際、多くの方が気にされるのが「住宅ローンが残っているけれど売れるのか?」という点です。実際、不動産を売却してもローン残高のほうが大きく、売却代金だけでは返済しきれないケースは珍しくありません。この状態を「オーバーローン」と呼びます。では、オーバーローンのとき、どのように対処すれば良いのでしょうか。
1. 売却額よりローンが残るケースとは?
住宅ローンを借りて購入した家は、年数が経つにつれ建物の価値が下がります。購入時は3,500万円であっても、10年後には市場価格が2,500万円に下がっている、というのはよくあることです。
一方でローン残高は返済計画に沿って減っていくため、タイミングによっては「残高がまだ3,000万円もあるのに、売却価格は2,500万円しかつかない」という状況が発生します。こうなると、売却代金だけではローンを完済できず、抵当権の抹消もできないため、通常の売却は進められません。
2. 不足分を補う4つの方法
では、売却代金で足りない分はどうすればよいのでしょうか。主な対処法は以下の4つです。
① 自己資金で補填する
もっともシンプルな方法は、不足分を貯金などから支払うことです。例えば売却額2,500万円に対してローン残高3,000万円なら、自己資金500万円を用意すれば完済できます。手元資金に余裕がある方は、この方法が最もスムーズです。
② 住み替えローンを利用する
新しい家に買い替える場合、金融機関によっては「住み替えローン」が利用できます。これは、売却しても残ったローン残高を、新居購入のローンにまとめて借り換える制度です。ただし審査は厳しく、年収や勤務先、返済負担率などがチェックされます。安易に利用すると返済負担が大きくなるため、将来の収支を見据えて検討しましょう。
③ 任意売却を検討する
自己資金で不足分を補えない場合は「任意売却」という選択肢もあります。任意売却とは、金融機関と相談のうえ、売却価格がローン残高を下回っていても売却を認めてもらう方法です。売却後に残債は分割返済することが可能で、競売に比べて高値で売れるメリットもあります。金融機関との調整が必要なため、不動産会社や弁護士に相談しながら進めるのが安心です。
④ 賃貸に出すという選択
どうしても売却が難しい場合、一旦は売らずに賃貸に出してローン返済を続ける方法もあります。家賃収入で返済を補える可能性がありますが、空室リスクや修繕費なども考慮が必要です。短期的な選択肢として検討するとよいでしょう。
3. 早めの査定と相談がカギ
オーバーローンの問題は「売却額」と「ローン残高」の差で決まります。そのため、まずは正確な売却査定を受け、同時にローン残高を確認することが大切です。もし不足が予想されるなら、できるだけ早く金融機関や不動産会社へ相談しましょう。
特に任意売却は、延滞が続く前に動いたほうが選択肢が広がります。滞納が長引けば競売にかけられてしまい、市場価格より低く売られてしまうリスクがあるからです。
まとめ
自宅を売ってもローンが残る「オーバーローン」は、決して珍しいケースではありません。大切なのは「不足分をどう解消するか」を冷静に検討することです。自己資金で補う、住み替えローンを活用する、任意売却を行う、賃貸に切り替える――それぞれの方法にはメリット・デメリットがあります。
まずは不動産会社に査定を依頼し、現状を把握したうえで、金融機関や専門家と連携しながら最適な方法を選んでいきましょう。早めの行動こそが、安心して次の生活をスタートさせる第一歩となります。
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