空き家を売るメリット、デメリットとは?
入間市をはじめ全国で問題視されている「空き家」。とくに相続で実家を引き継いだものの、「今は使っていない」「管理が面倒だけど、売る決断ができない」といった理由で放置されている空き家が目立ちます。
ただし――現代は“空き家を所有し続ける”こと自体がリスクになってきているのです。今回は、入間市で空き家を所有されている皆様に向けて、
・売却するメリットとデメリット
・国や行政の動き
・結局、どうすべきか?
を、不動産の専門家の視点でわかりやすく解説いたします。
◆空き家を売るメリット
1. 管理・維持コストから解放される
空き家でも所有していれば、定期的な換気、草刈り、雨漏りチェック、そして防犯対策が欠かせません。遠方に住んでいる方にとっては年数回の管理訪問でも大きな負担です。
事例:
都内在住の60代女性が、実家(空き家)を年に2回だけ見に来ていたところ、庭木が隣地にはみ出し苦情が発生。結果的に庭師の派遣と修繕で約20万円がかかりました。
2. 固定資産税や草刈りなどのランニングコストが消える
家に住まなくても毎年かかるのが税金と管理費。さらに、倒壊や景観悪化の恐れがあると判断されれば、「特定空き家」として行政から指導を受け、土地の固定資産税軽減措置が解除されてしまいます。
→結果、税額が約4〜6倍になることも。
3. 市場価値があるうちに現金化できる
建物の資産価値は時間とともに下がり続け、放置していると老朽化が進み、最終的には**「解体費を差し引いた土地価格」**でしか売れなくなるケースが多いです。
早く売れば、買い手のリフォーム用途などにより、価格を維持しやすくなります。
4. 売却益で次のステップに踏み出せる
売却で得た資金は、老後資金、リフォーム資金、子どもの学費など、柔軟に使えます。維持するよりも、**「思い出をお金に変える」**という前向きな選択肢として捉えていただければと思います。
◆空き家を売るデメリットも整理しておきましょう
●思い出がある
特に実家などは感情的に手放しづらいものです。ただ、気持ちだけでは建物の老朽化は止められません。**“気持ちは持ち続けて、建物は活かす”**ことが現代的な空き家との付き合い方です。
●将来使うかもしれない
「子どもが住むかも」「自分が老後に戻るかも」といった不確定な未来に期待しても、10年後に建物がそのままの状態で活用できるとは限りません。
◆国・行政の動き:空き家を“持たせない”方向へ
ここで重要なのが、国や自治体の「空き家対策」です。
▼空き家対策特別措置法の改正(2023年)
この改正により、以下の点が強化されました:
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管理不十分な空き家を「管理不全空き家」と新たに定義
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特定空き家だけでなく、管理不全空き家も固定資産税の優遇対象外に
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行政が是正指導→命令→強制執行のプロセスを取りやすく
つまり、「ちゃんと管理してない空き家は、税優遇もしないし、最悪は行政代執行で取り壊すよ」という方向に進んでいます。
▼入間市でも空き家対策が進行中
入間市でも「空き家バンク制度」や「空き家除却費補助制度」などを通じて、空き家の利活用を強く後押ししています。つまり行政は、空き家は持ち続けるよりも動かす=活かすことを求めているのです。
◆結論:空き家は「今、売る」ことでしか守れない価値がある
所有しているだけで出費がかさみ、価値が下がり、リスクが増えるのが空き家の現実です。そして、国や自治体の制度はこれからも**“空き家を持ち続けにくい時代”**へと加速していくでしょう。
入間市は住宅需要も高く、今ならまだ需要に応える形での売却が可能です。
思い出を手放すのではなく、
「次の誰かが活かしてくれる未来へとつなぐ」ことが、空き家のあるべき終着点。
空き家のまま置いておくより、今売却という一歩を踏み出すことで、大切な資産と記憶を「価値」に変えることができます。
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